画像アノテーションツール 3つの選定ポイントと用途別オススメツール

画像認識AIは、タグ付けされた複数の画像を学習することでパターンを見つけ出し、物体を認識できるようになります。アノテーションとは、データにタグ付けをする作業で、画像認識においてとても重要です。そして、より効率的で質の高いアノテーションをするためには、適切なツールを選ぶことが不可欠です。

しかし、アノテーションツールも様々なものが増えてきていて、「どうやって選べばいいのだろう?」「どれが自分のニーズにあったものなのだろう?」と悩んでしまう方も多いようです。

今回は特に、画像認識AIを作る際に必要な画像アノテーションツールの選び方のポイントや、実際のツールを紹介します。

アノテーションツール選定 3つのポイント 

アノテーションツールには用途によって様々な種類がありますが、それぞれ特徴があります。どのような点に着目して選定するべきなのでしょうか。

画像認識アノテーションツールを選定するポイントをの3つご紹介します。

ポイント①:対応できるアノテーションの種類
アノテーションには様々な種類があります。画像認識AIを作る際に特に利用頻度が多いのは、矩形・バウンディングボックス、多角形ポリゴン、セグメンテーション(領域塗りつぶし)、ポリライン、ポイント などです。
AI開発の目的によって、どのような種類のアノテーションを行うかを決める必要があります。  

ポイント②:クラウド対応
アノテーターやエンジニアなど、複数人でアノテーションに取り組みたい場合、クラウドでのデータの一元管理や情報共有は必須です。実務を行う環境や体制しだいでは、クラウドか否かも重要な選定ポイントとなります。

ポイント③:セキュリティ/データ連携
画像データのセキュリティレベルもツールによって様々です。クラウドでの保管場所指定、ローカル環境にデータをおいたままの利用が可能かどうかも確認しましょう。

それぞれのポイントについて、以下でより詳しく見ていきます。

1. アノテーションの種類

タグ付けを行う際、目的や画像の特徴によって、それぞれ適切なアノテーションの種類があります。自分の目的にあったものが含まれているツールを選びましょう。それぞれのアノテーション種類について簡単にご紹介します。

・矩形、バウンディングボックス

アノテーションの種類_矩形、バウンディングボックス

  • 長方形で物体の大まかな範囲を指定する機能
  • 矩形なので、比較的時間をかけず簡単にタグ付けすることができる
  • ある範囲の中で対象物を見つけたい時に活用することが多い

使用例:自動車、動物、地図上の建物等で「存在するかどうか」の確認や「個数のカウント」を行うケース

・多角形ポリゴン

アノテーションの種類_多角形ポリゴン

    • 様々な角度や長さの線を使用することで、多種多様な形で物体の範囲を指定することができる
    • 前述のバウンディングボックスは、背景や他の物体など対象物以外の部分が含まれてしまう一方で、多角形ポリゴンは、手間や時間はかかるが、より正確で細かい範囲の認識が可能
    • 複雑な形でもその形状に沿ったアノテーションができる
    • 多角形ポリゴンの内部を塗りつぶすことで後述のセグメンテーションへ変換可能

    使用例:人間、動物、車などで正確な領域抽出を行い「面積の確認」や「正確な境界認識」が必要なケース

    ・セグメンテーション(領域塗りつぶし)

    アノテーションの種類_セグメンテーション

      • ピクセル単位で画像をタグ付けする機能
      • 囲った範囲内を全てピクセル毎にタグ付けするため、より細かい認識が必要な場合に向いている
      • バウンディングボックスやポリゴンとは違い、一度選択した範囲を動かすことはできない

      使用例:人間、動物、車などで正確な領域抽出を行い「面積の確認」や「正確な境界認識」「文字図形の正確な識別」が必要なケース

      ・ポリライン

      アノテーションの種類_ポリライン

      • 多角形ポリゴンのような面積におけるアノテーションではなく、直線や曲線など、線として対象物を選択することができる
      • 選択範囲は太さ1ピクセルのため、より太い線を必要とする場合は多角形ポリゴンが適切

      使用例:壁面のひびやチョーク等、細い物体をアノテーションするケース

      ・ポイント(ランドマーク)

      アノテーションの種類_ポイント(ランドマーク)

      • 一つのピクセルを選択することができ、ピンポイントでタグ付けをする際便利
      • ピクセルの正確な特定が必要な場合、ズームイン機能も備わっていることが必要
      • 指定した範囲内の物体の数を数える際にも使用可能

      使用例:人体や顔のパーツなどのアノテーション

      2:クラウド対応

      クラウド環境の場合、WEBブラウザ上ででアノテーション作業ができます。画像やアノテーションデータ、進捗情報等が個人ユーザーのデバイスに留まらずクラウド上で一元管理できるため、複数人での作業が大幅に効率的になります。

      クラウド対応でできること

      • コメントやレビュー:タグに対しレビューワーが承認・拒否できる
      • 進捗の確認:誰がどれだけ作業が進んでいるかリアルタイムで確認可能
      • 必要な画像やデータを一括管理 

      チームでアノテーションする場合、このようなクラウドツールを探しましょう。

      3:セキュリティ/データ連携

      機密画像などを扱う際、データのセキュリティが非常に重要です。画像をパブリッククラウド環境などにアップロードすることが難しい場合、自社のクローズドなネットワーク環境やローカル環境にあるPC上に画像を置いたまま、アノテーション作業が可能であることが不可欠となります。

      このようなケースにおいては、いくつかのツールにてサポートされている「外部URL指定型」の画像アップロード機能を用いることで、ローカル環境やパブリッククラウド環境に画像を置いたまま複数人でアノテーションが可能です。

      URL指定型ツールのアノテーション

      ケース別アノテーションツール

      ここまで、アノテーションツールの選定ポイントを見てきました。

      次は、利用目的にあったツールをより選別しやすくするために、ケース別にどのツールが適切なのかを紹介していきます。

      ケース①:「まずは一人で小さなPoCを始めたい」

      ローカル環境で動作するスタンドアロン型の無料アプリがおすすめ

      ◆Microsoft/VoTT

      Microsoftが提供している無料のアノテーションツールです。セットアップにあたって必要な知識や作業が少なく、初心者でも比較的簡単に使用できます。ログイン機能やメンバー管理機能などは備わっていないのですが、個人で始める人には良いツールです。

      特徴:バウンディングボックス、多角形ポリゴン、ポイント、セグメンテーションなど、アノテーション種類が豊富

      ケース②:「実用へ向けて、複数人で大量データを扱いたい」

      クラウドのアプリがおすすめ

      ◆CVAT (Computer Vision Annotation Tool)

      ログイン認証機能やタスクアサイン等、多人数でのアノテーション作業もサポートしている無料のアノテーションツールです。多機能でクラウド対応もしておりますが、利用にあたってはユーザー自身でクラウド環境の準備およびWebサービスのセットアップが必要になります。

      特徴:

      ・バウンディングボックス、多角形ポリゴン、ポイント、セグメンテーションなどアノテーション種類が豊富

      ・認証機能やタスクのアサイン機能などクラウドならでは機能を実装

      ケース③:「実用へ向けて、複数人で大量データを用意したい」「セキュリティも担保して、中長期的なAIプロジェクトのデータ基盤としたい」

      クラウドのアプリで、セキュリティを考慮したツールがおすすめ

      ◆AnnoStation

      AnnoStationは、WEBベースの画像認識AI専用アノテーションツールです。セキュリティも担保されており、複数人での作業にもむいています。

      特徴:

      ・バウンディングボックス、多角形ポリゴン、ポイント、セグメンテーションなどアノテーション種類が豊富

      ・「実施結果に対する承認・差し戻しやコメント・レビュー機能」、「アノテーション、レビューのステータス管理、担当者の割り当て」、「全てのプロジェクトのデータを一元管理」といった、ワークフローやプロジェクト管理といった、複数人での作業をサポートするクラウド型ツール

      ・社内ネットワーク外に出せない画像に対してのアノテーションや、メールによる招待機能、ロールによる権限管理など、セキュリティも担保

      まとめ

      今回ご紹介したもの以外にも、様々なアノテーションツールがあり、今後さらに多くのツールが誕生してくるものと思われます。

      ツールの導入を検討する際には、アノテーションの種類、クラウド対応機能、セキュリティといった3つのポイントで選定することをおすすめします。

      また、上述のケース別のおすすめツールのように、目的や体制に応じて選ぶツールが変わることもあるため、各々の特徴や価格、サポート体制などもしっかりと調べてから導入をすすめていきましょう。

      自分の目的にあったアノテーションツールの選出は、より質の高く効率的な画像認識に欠かせません。

      この記事で挙げた選出ポイントやツールが、皆さんのツール選びに参考になれば幸いです。

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