画像認識とは何なのか?画像認識の活用シーンを正しく把握しよう

近年、AIや画像認識のニーズが高まっており、ビジネス分野では大きなトレンドとなっています。顧客対して他社との差別化を図るためにも、AIや画像認識技術を取り入れたシステム開発の提案をすることは極めて有効な方法といえるでしょう。

しかし一方で、そもそも画像認識技術のことを正しく把握できている方は少なく、「具体的に何ができるのか分かってない」「基本的な仕組みが分からず顧客からの質問に対応できない」といった悩みを抱えている方も多いようです。

そこで本記事では、そもそも画像認識とはどのような技術なのかを解説するとともに、画像認識技術が活用されるシーンの一例についても紹介します。

いまさら聞けない 「画像認識」とはどんな技術?

画像認識とは、静止画または動画の中に映っている物体が何なのかをコンピューターが判別・認識する技術のことを指します。

たとえば、数字の「1」という文字が写った画像がある場合、フォントによっても文字の形状は微妙に異なりますし、手書きであればより千差万別な「1」が写っていることでしょう。また、数字の「1」とアルファベットの「I(アイ)」や「l(エル)」の形状は非常に似ており、細かな特徴を見極めたうえで判別しなければなりません。

私たち人間にとっては、画像に写っている情報を読み取るのは簡単なことです。これまで膨大な経験や知識を積み重ねて認識を繰り返してきた結果があるので、私たちは画像を認識することができるのです。しかし、経験や知識を持たないコンピューターにとっては極めて難易度の高い作業といえるのです。

画像認識の技術そのものは決して新しいものではなく、実は1940年代から研究が行われてきた分野です。身近なところでは「バーコード」や「QRコード」も画像認識技術のひとつであり、一定のパターンを瞬時に捉える原理は現在の画像認識にも活かされています。

その後、顔認証システムなどの研究が進み、現在ではディープラーニング(深層学習)の技術を応用した高度な画像認識技術も実用化されつつあります。

画像認識が活用されるシーン

画像認識技術は具体的にどのような業種において活用されているのでしょうか。今回は代表的な5つの事例を中心に紹介します。

1.医療での活用

画像認識_医療での活用

医療分野においては、CT画像から悪性腫瘍を判別し医師の診断をサポートするなどの目的で画像認識が活用されています。CT画像を適正に分析し腫瘍部分を判定することは極めて難易度が高く、専門の医師による高度なノウハウと経験が必要です。

現在、日本においてCT画像を撮影する機器の台数は世界でもトップクラスを誇りますが、CT画像から病気を診断できる医師の数は非常に少なく、一人の医師に対する負担が大きくなっています。そこで、画像認識技術を活用することにより、人の目では見つけられないような腫瘍を高精度に判別するだけではなく、医師の肉体的・精神的な負担を和らげることも期待されています。

2.農業での活用

画像認識_農業での活用

農業のような一次産業も画像認識の活用が期待されている分野のひとつです。
農業ではAIとロボットの連携により収穫作業の効率化も可能です。作物の生育状況を見極め、収穫できる状態になっているかを画像認識技術でサポートすることができます。
また、ドローンを活用した農薬散布や、ロボットによる雑草の駆除を自動化する際においても、畑の中のどの範囲を対象とするのかを見極めるうえで画像認識のノウハウが求められます。

農業をはじめとした一次産業は深刻な後継者不足に悩まされていますが、画像認識技術とロボットやドローンといったデバイスを組み合わせることにより、大幅な効率化・省人化が実現されます。農業従事者の肉体的な負担は軽減され、新規就農者の確保にもつながると期待されているのです。

3.建設業での活用

画像認識_建設での活用

道路や橋、トンネルなどの交通インフラの保守点検は、高所や交通量の多い場所がほとんどで極めて危険な作業です。また、物理的に距離が離れている個所の点検をするためには、人間が移動しながら検索をする必要があります。

そこで、作業員の安全や効率性を確保するためにも、カメラと画像認識技術を活用した作業の自動化が求められます。コンクリートのヒビ割れや腐食などの劣化を画像認識によって解析し、修繕が必要な箇所を自動的に判定できます。

また、建設作業の現場においては、建機の周辺に人やモノが近付いたときにアラートを発出し、作業中の事故を未然に防ぐためにも画像認識技術が活用できます。さらに応用化が進めば、建機を作業員が操縦するのではなく、自動運転によって作業の効率化を大幅に向上させることも可能になるでしょう。

4.製造業での活用

画像認識_製造業での活用

製造現場の多くはすでに機械化が進み、ほとんどの製造プロセスが人の手に頼ることなく自動化され大量生産が可能となっています。しかし、そのような中でも一定の確率で製造工程の中で不良品は発生するものです。多くの製造現場では最終的に人の目によって不良品を見定め、品質を担保していますが、当然のことながら作業員の負担は大きく完全に不良品をゼロにすることは難しいものです。そこで、画像認識技術によってわずかな異常を検知し、不良品をピックアップする仕組みが検討され一部では実用化されています。

また、製品そのものの不良を見極める目的以外にも、製造機器や製造ラインの異常を検知し故障を未然に防ぐ用途としても画像認識技術が応用されています。製造過程における人為的なミスを撲滅し、生産性および品質を向上させるためにも画像認識は欠かせないものです。

5.自動運転での活用

画像認識_自動運転での活用

画像認識の活用シーンとしてもっとも注目されているのが、自動運転の分野です。自動車が自らアクセルやブレーキ、ハンドルを制御するためには、リアルタイムで捉えた映像を画像認識技術によって解析しなければなりません。人の命にも直接的に関わるものであり、人間が運転する場合と同様の臨機応変な判断が求められます。また、自動運転にあたっては、道路上の車線、停止線、横断歩道や各種標識の位置などの地図データが必要となりますが、その地図データを効率的に収集・作成するためにも画像認識技術が応用されております。

自動運転の研究開発は、国内外の自動車メーカーだけではなく部品メーカーやIT企業も積極的に取り組んでいます。様々なジャンルの企業が互いに競争し協力しあうことで、歩行者や対向車、道路標識などの検出精度をさらに向上させ、交通事故を撲滅できる社会を目指しています。

画像認識技術はAIにどのように活用されるか

さまざまな分野での活用が進んでいるAIですが、一口にAIといっても役割に応じてさまざまな要素技術が存在します。人間の声や音を聞き分け、耳の役割を果たす「音声認識」や、日本語や英語など言葉の意味を理解する「自然言語処理」など、極めて幅広い分野に分けられます。その中でも、人間の目の機能に相当するのが今回紹介している「画像認識」です。

すなわち、AIとは音声認識や自然言語処理、画像認識などの総称であり、用途に応じて複数の技術が使い分けられます。人間には五感が存在しますが、その中でも視覚から得られる情報は8割にものぼると言われています。そのため、人工知能の分野においても、人間の目にあたる画像認識は極めて重要な役割を果たすといえるでしょう。

従来の画像認識技術はテンプレートとなる画像を定義し、対象の物体を検知する「テンプレートマッチング」という手法が採用されていました。しかし、画像から物体を認識できる精度は低く、実用化できる分野やシーンも極めて限られたものだったのです。その後、ディープラーニングの登場によって画像認識の精度および効率は大幅に向上しました。コンピューターが自らデータをもとに学習し、人間が経験や知識を蓄積していくように急速に発達したことから、現在ではあらゆる用途やシーンにおいて実用化が進んでいます。

まとめ

人間の目のような役割を果たす画像認識は、AIのなかでも極めて応用範囲が広く、実用化が進んでいる分野です。医療や農業、建設業など、これまでITとは関連性が低いと思われてきた分野においても続々と採用され、それぞれの業界が抱える課題解決にも役立っています。

ディープラーニングの登場によって画像認識技術の成長は加速し、2010年代に入り一気に実用化が進みました。しかし、画像認識をはじめとしたAIの分野は成長が止まることなく、今後さらに加速度的に発展していくと予想されます。

今回紹介してきた分野や用途以外にも、画像認識技術が求められるシーンは数多く存在します。自社が抱える課題を解決するために画像認識が活用できないか、あらためて検討してみてはいかがでしょうか。

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